【F-ONE大手町ビル店 川本blog】

2023年と2024年とのあいだに3日くらいの余白があれば、エピローグとプロローグのあいだにモノローグまで書けておしゃれなのになぁ…っと雪見だいふく×白い恋人を食べながら考えていた今日日です。

師走ですね。。。

( 雪見だいふくって雪見大福じゃないところがいいですよね )

↑ ブラウンベースのグレン・チェックにブルーのオーバー・チェック

☆

なにやら数日前から、あたまの中で鎮座まします、来年の干支となる「辰」

はてさて「辰」とは何でしたかな？

っと純真無垢に「辰」「竜」「龍」とサジェストキーワードから調べ始め、すぐに解決。と思いながら気付けば登板車線を走っておりましたよ。。。

「干支の中で唯一存在しない生物」

「辰は蜃の原字」

「蜃」は「気」を吐いて「楼」を出すオオハマグリの妖怪…

わたしは、おやおやと思う。

最近のブログで、お洋服のことをあいまいとかファジーとかふめいりょうとか書いておりましたので、不確かなものが寄り付いたようです。

「辰」から端緒を開こうとするも、不首尾に終わったか…とのキモチが発露したかのように、大手町ビル内で吹鳴するサイレン。

( 防災訓練中とは言え絶妙なタイミング… )

わたしは、むむむと思う。

もう少しだけ調べてみよう…

結果、聖ゲオルギウスの竜退治が現れた。

1902年発行の5ポンド金貨の裏面にも描かれており、表面はなんとナントの英国王エドワード7世。

さすが、運だけで生きてきた男。

エドワード7世と言えばお洋服好きとしても知られ、好んで着ていたブルーのオーバー・チェックが乗ったシンプルなグレン・チェックに、プリンス・オブ・ウェールズとの名が付いた伝説のお方。

繋がりましたね。

東アジアでは瑞兆、西洋では悪魔とされるなんて「竜」の世界共通の不確かさは、笑いながら享受しておくのが正解のようです。

12年に一度ですし、プリンス・オブ・ウェールズのお洋服を着てハマグリを焼きに九十九里まで行こうぜぃ…なんて面妖なヒトになろうとは申しませんが、仕立てるタイミングとしては申し分ないでしょう。

↑プリンス・オブ・ウェールズ

( 現在ではグレン・チェックと分けずに呼ぶのが一般的です )

あたまの中で飼っていた「辰」が居なくなっている。

もしかしたら、妖怪・おぼろぐるまの仕業だったかも知れませんね。

よかった。。。

☆

↑ お、これいいな。が、時すでに遅し。しかし、ないと知ると余計に欲しくなる。どうして今まで目に留まらなかったのか…これでは灯台もと暗しではないか。うぅ…ほしい…。そんなココロの振幅も楽しいものです。

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「ピピピピッ、ピピピピッ」

白いCITIZENの目覚まし時計が、今日も淡々と職務を全うしている。

寒暖差の寒さんが住む朝方、お布団の中は心地良く、練達した千日手の動作でスヌーズボタンを押しながら、二度寝三度寝を謳歌しております。

堪りません。。。

こちら、落ち着きのあるグレーベースの表情ながら一種異様なストライプカラー。またまたイタリア生地らしい常套手段で口説き落とされましたよ。

お色はグリーングレーでしょうか。

曖昧模糊だからこそ？の魅力を感じさせる、まるで甘じょっぱいハッピーターンの世界観のようです。

そんなストライプ柄は、縦のラインを美しく演出してくれます。

上から下へと流れるように…

又、麻中之蓬のように、くねくねくねくねとした天邪鬼のわたしをも、真っ直ぐと正してくれそうです。。。

とは思いつつも、わたしは手強いですからねぇ…

最近観ました、グッドフェローズにも出てくるバリモアカラーのシャツも合わせておきましょうか。

ロングポイントのシャツ、格好良かったですよ。

(悪役ばかりでちょっと引いてしまいましたが…)

融通無碍に書いておりますが、感じ方は十人十色…

同じ物でも陰画と陽画くらい異なるでしょう。

これは何となくですが、個人的にも不惑を過ぎてから感じ方が変わった気がします。

作者が意図していた内容とは異なる読み手の解釈が、その作品をより豊かにしていく事もある小説のように、この生地たちも、仕立てた方々の数だけ素敵なストーリーが生まれますよ。きっと。

「表以上に裏が大切」とのココ・シャネルの名言がありますが、オーダースーツの場合、裏とは、生地選びや着用を重ねていく過程、目には見えないストーリーの事だったりするかも知れませんね。

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遅ればせながら今回は、祝Vサルゴリラのコント風にやってみます。

【ルールマジック】

↑こちら、台紙Aに貼付している生地見本のベロア。

↑次にこちら、台紙Bに貼付している生地見本のモッサー。

↑最後にこちら、台紙B2に貼付している生地見本のビーバー。

ここで一度、この台紙を閉じます。

ここでルールマジック！！

↑開いてみると台紙Aに貼付していたベロアがモッサーになっていて、

(苔のような表情に仕上げた生地。カジュアルコートとして是非)

↑台紙Bに貼付していたモッサーがビーバーになっていて、

(一方向へ毛羽立たせ、ビーバーの毛のように仕上げた生地。ドレスコートとして是非)

↑台紙B2に貼付していたビーバーがベロアになっている。

( 伸縮性があり、柔らかな表情の生地。ゆったりなサイジングのジャケットやコートとして是非)

これぞ、ルールマジック！！

ルールは覆されるものである。

似て非なる生地がたくさんあって面白いですね。

おわり

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「ひき肉です」

声調言語みたいな面白い流行語たちが、早々と年末への情景を色濃く表象していく。

ほぅ、ひき肉ですか…

っと、単純な私はひき肉たっぷりの麻婆豆腐を胃袋へ納め、早々と優勝モード。

うん、美味。。。

そんな情景を映し出す水鏡のようなこちらの生地は、平板なグレン・チェックながら、ちょっぴり深くて濃いめなお色。

チェック柄はお腹一杯なのよー…的な皆様にもおすすめな、コントラストは別腹仕様。

格好いいですよ。

個人的には、3ピースで仕立てておいての単品使いも素敵かと。

創造力を擽られて下さい。

( 脳内ではSuper Beaverの「アイラヴユー」が流れております )

創造力と言えば最近観ております、アキ・カウリスマキ作品。

この生地モテる？>

< イチコロ

ステキ >

っと、無声映画を思わせる少ない台詞が、仏頂面な出演者から抑揚も無く放たれる映像には、日々を紋切り型で生きる私に余白を与えてくれましたよ。

ありがとう、カウリスマキ…

12月の「枯れ葉」で会いましょう。。。

スコットランドで織られていた、グレン・チェック。

フィンランドの映画監督、カウリスマキ。

スコットランドの国旗は青と白。

フィンランドの国旗も青と白。

ランド & ランドと来れば、もうボタンは青、裏地は白にしちゃいましょう。

以上、麻婆豆腐とオーダースーツの選択過程でした。

食後はデザート代わりにKing Gnuの「三文小説」をいただきます。

では。

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日一日と早まる薄暮のリズムに合わせて、秋冬物のチェックを始めると、ちらほらと出てくる、くたびれ顔のスーツたち。

(愛着があると中々手放せないものです…)

「どうする？GOする！」

CMのフレーズが、思考への問いとなって返ってくる。

バリトンか…

話を逸らしてみると、今度はテノール…いや、アルトのなかやまきんに君が、道案内をスルーされたカーナビのように、淡々と問いかけてくる。

新しく仕立てるのか仕立てないのかどっちなんっだいっ！パワー！ハッ！

秤は一方へ傾いている。

手放そう、そして新しく仕立てよう。。。

「おぉ、いいですね」

感動詞が、セカオワが住むタイトルのメロディーに合わせて踊り出す。

(セカオワ縛りでやってみます)

今回のポイントは衿。

衿巾はバランス良く、肩巾に対して自然に見えるように…

そんな、やんわりと統治していたルールよりも1.5センチくらい広めのこちらは9.5センチ巾。

これぞ、「モダンクラシック」の極致。

個人的には、エディスリマンのディオール・オムに魅了されて始まったテーラードジャケットの耽美的な衿巾も、5.5センチさんや8.0センチさんを経て、とうとう9.5センチさんまで来ましたか…と感慨深くなります。

もし、耽美的代表の衿巾による鼎談が行われた際は、そのどれもが最高だったよと手を繋ぎ合うことでしょう。

脳内では「Dragon Night」が流れております。

とは言いつつも、字面では伝わりづらい曖昧で繊細で不明瞭なスーツですが、仕立てた一着一着が点となり、点と点を繋いで、線となっていく過程は面白いですよ。

最後は「Habit」の、変顔カマキリポーズであらびきポークでも食べながら優しい人風に、もう少し言葉を紡ぎます。

くたびれ顔の5.5センチさんが隣で横たわっております。

ベランダから見える日没後の恒星に照らされながら、減法混色によって黒くなった空へと導かれるように、鬼籍へと入って…

あ、少々お待ち。

最後の儀式を忘れておりました。

ボタンは再利用出来ますので、取り外しておきましょう。

多分、その方がいいでしょう。

きっと、その方がいいでしょう。

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日一日と早まる薄暮のリズムに合わせて秋冬物のチェックを始めると、ちらほらと出てくる、くたびれ顔のスーツたち。(これはこれで好きなのですが…)

どうする？GOする！と脳内に流れ始めた、聞き覚えのあるフレーズによって寒暖差のように揺さぶりをかけられ、更に背中を押すトリガーに扮して、なかやまきんに君が問いかける。

新しく仕立てるのか仕立てないのかどっちなんっだいっ！ハッ！

秤は一方へ傾いている。

新しく仕立てよう。。。

↑生地は英国 LASSIER MILLS

「おぉ、格好良い…」

感動詞が、セカオワが住むタイトルのメロディーに合わせて踊り出す。

衿巾はバランス良く、肩巾に対して自然に見えるように…

そんな、やんわりと統治していたルールよりも1.5センチくらい広めのこちらは9.5センチ巾。

耽美的な衿巾の好みが、また少し広がったようです。。。

何回でも言います。格好良すぎます。

これまでに仕立てた耽美的代表の衿巾、5.5センチさんと8.0センチさん、そして今回の9.5センチさんの鼎談が行われた際は、そのどれもが格好良く、テーラードジャケットは八面六臂の優れもの…との結論となるでしょう。

字面では判断しづらい、曖昧で繊細で不明瞭なスーツを経験と重ね合わせ、今日は「Habit」の歌詞とチューニングしながら内奥に手を伸ばしてみましょうか。

くたびれ顔の8.0センチさんが隣で横たわっております。。。

日没後の恒星に照らされながら、減法混色によって黒くなった空へ導かれるように、鬼籍へと入って…

あ、少々お待ち。

最後の儀式を忘れておりました。

ボタンは再利用出来ますので、取り外しておきましょう。

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「お、モディさん」

映画グリーンブックに突如出てきた衣装が、ピクトグラムによって導かれていく思考のように、モディ首相へと移り変わる。

こちら、今年の春よりスタートしております「スリーブレスネールジャケット」

名称はシンプルにネールジャケットが一般的ですが、見た目はジャケットと言うよりもベストのようで…

？？？

畢竟、立ち襟・袖無し・パット無しジャケットです。

インドのマハラジャも着用したとされ、連綿と続くこのジャケットは、やはり綿や麻素材との相性が良さそうです。

が、今回はウール素材にてダウンベストのように仕立ててみました。

↑実はワタクシ…お洋服には一家言ございまして…と接頭辞を付けた台詞がしっくりくる様相なのは、立ち襟だからでしょうか。襟を正す、でございます。

キルト裏地は4色展開。こちらは紅葉カラーのオレンジ。ボタンはバスケットの黒。最近出番少なめだったカントリーシューズでも合わせてみましょうか。

初冬から春先まで、アウターやインナーとして、ダウンベストのように新たな着こなしを楽しんでみて下さい。

そしてここからは、開高 健の「少年の心で、大人の財布で歩きなさい」との言葉に合わせました、ワクワクする生地たちのご紹介。

可愛いとは反対のお値段となりますが、素敵な生地ばかりです。。。

↓イタリアのフェルラ

複数の素材の織り合わせにより生み出される表情がいいですね。

ヘブンズドアーを使って、テキスタイルデザイナーの製作背景を知ることが出来れば最高なのですが。。。

↓イタリアのドラゴ

スカイフォールシリーズ。

個人的には、異端児臭を感じるので好きなブランドです。

原毛はsuper180’s…タッチはカシミヤですね。たまりません。

↓スコットランドのハリスツイード

言わずもがな、体型を維持して頂ければ一生モノと謳える生地でしょう。

30年前に仕立てたハリスジャケットの裏地が経年劣化によりボロボロの為、お取り替え。でも表地は全く問題無し…それどころか経年変化のナパージュに包まれて光り輝いている。あるあるです。

上記の生地は、通常のジャケットやコートもお仕立て出来ますので、ご参考にしてみて下さい。

話しを戻しまして…前述の映画は何度観てもケンタッキーが食べたくなります。勿論、骨を車から放り投げたりはしませんよ。。。

食欲の秋、美味しく楽しくお過ごし下さい。

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「みゃーみゃー」

1匹増えていた、弟夫婦のアメショーくんの猫撫で声が、筋トレ後の充実感のように心地よく、心を和ませ、秋の夜風へと伝播しているようです。。。

「みゃーみゃー」

さて、夏を凝縮した、スタバのスイカフラペチーノのような8月ももうお終い。店内は慣性の法則の如く、また新たなシーズンへと動き続けております。

そんな中、客体でも取り出すかのように、手に取った猫柄の裏地。。。

…アメショーくんを感じつつも、「好奇心は猫を…」。クセの強さに発令するメンタルブロック。

うーん、どうしましょうか…との刹那、鷹揚とお色別に生地を選び始め、及第点では終わりませんよと、早くもお仕立てモード全開です。

↑ベージュ猫には…

（英）WOODHEADのダークブラウンストライプ。シャドウのように控え目なストライプが美麗な生地。昨シーズン、品切れが続出したカラーですので、仕立て損ねた方も是非。

↑ネイビー猫には…

(伊)CANONICOのネイビーカヴァート。エドモンド本田のスーパー頭突きをも耐え凌ぐであろう耐久性。裏地とのギャップが奏でるケミストリー。是非。

↑ネイビー猫には②…

(日)MIYUKIのネイビーコーデュロイ。砂紋のような表情が魅力的なこちらは、ダブルブレストが格好良いですよ。不思議とこのネイビー裏地の色調は、ネイビー生地を合わせたくなります。是非。

↑ブラック猫には…

(英)SCABALのブラック幾何学模様。グレーにも見えますが。ソーサーや鱗粉を連想させる主張強めの表情ながら、裏地との相性は抜群でしょう。是非。

↑3色の猫たちには…

(英)JOHN FOSTERのグレンチェック。まるで折衷案から生まれた生地のように、どのお色にも合います。実地経験の如く、3色まとめてお仕立て…なんて強者様もウェルカムですが、超芸術トマソン状態にはなりませぬよう。是非。

秋の始まりです。。。

あっ、タイトルの回収がまだでしたね。

宇宙の調査隊として生きる覚悟を決めたクーパー。

久しぶりに観たくなってきました。

秋の夜長に。是非。

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【F-ONE大手町ビル店 川本blog】

キュルキュルキュルっと10秒ほど動作を巻き戻すように、間違って洗濯槽に捨てた紙くずを取り出し、ごみ箱へ捨て直す。あらっ…既視感？

映画「愛と哀しみの果て」に没入しながら、同じ洋服とは思えない美しさに感嘆する。あららっ…未視感？

「さて…」

接続詞が吹き出しとなり、もくもくと天気を予兆する笠雲のように、頭上に浮かび始めています。

さて、そろそろリネンの出番ですね。

例年とは異なり続ける気候と、やがて訪れる梅雨空。

そろそろリネン素材はいかがでしょうか。

とは申しましてもウールと混紡のため、初めての方でも試しやすく、また、着用シワは控えめで水にも強く、耐久性もあり…と優れた素材なのでございます。

↑「弊社のリネン！」…と、まるで標語のように、仕上がった表情はカチッとしています。。。

キュルキュルキュルっと10秒ほど動作を巻き戻すように、映画「愛と哀しみの果て」を観直す。おやっ…共時性？

衣装デザイナー、ミレーナ・カノネロのリネンが素敵すぎて、格好良くて、何度も何度もキュルキュルしてしまいます。お色は同じトーンで、くしゃくしゃでどろどろだったりもするのに…だからこその表情が堪りません。

サンプルのグレーも格好良いのですが、映画に出てくるエクリュベージュ？〜ダークブラウンも最高なので、ぜひご参考にしてみて下さい。

まあ、感化しますよね…だって格好良いもの。。。

↑お色違いのベージュでございます。品切れたらごめんなさい。

しばらくはミレーナ・カノネロ作品の旅となりそうです。

聖地巡礼のように。。。

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